いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

アイエムオーのレーシングパーツ

本日(日曜日)は、バキュームピストンの浮き不足という視点でのキャブ調整を行うことにしました。

バキュームピストンの浮き調整というと、リターンスプリングのカットかサクションホールの拡大が定番です。だけど、どちらも不可逆チューンで破壊行為ですから、可能な限りやりたくありません。

そこでまた秘密兵器を使用することにしました。
RVFのキャブには、レース用のセッティングパーツとしてHRCのリターンスプリングが販売されていた実績があります(現在は多分もう廃番で販売されていない)。
NC24にもNC30にもレース用のセッティングパーツは多々あったのですが、キャブのリターンスプリングに関してはラインナップされていません。なのにRVFにだけはレース用のリターンスプリングがあるんです。
なので、RVFのノーマルリターンスプリングは若干強めなのではないか?、と思いたくなるっていう思考の流れも以前からありました。

HRC製のリターンスプリングはおそらくもう入手不能でしょうから、今回はimo(アイエムオー)のレーシングリターンスプリングを使用することにします。
※単に洒落ですので、適当にご想像ください。


イメージ 1
imoのリターンスプリングです。

左がRVF純正、右がimoです。
自由長は RVF純正:89mmくらい、imo:60.5mmくらい、でした。

さて、RVFキャブの内部でリターンスプリングがどのくらいの長さになっているかというと、私の実測では、
 バキュームピストンゼロリフト時:51.1mm
 バキュームピストンフルリフト時:27.6mm
でした。

リターンスプリングのテンション値を実際に測定するのは、個人としてはかなり困難なことですが、2つのリターンスプリングを一定の条件で比較するのであれば結構簡単です。
上の画像はその比較をするやり方の撮影でもあります。
右端のワッシャーを指でつまんで左に寄せて、RVFのスプリングが51.1mmの長さになる時にimoのスプリングの長さが幾らになるのか評価すればいい訳です。
RVF用が51.1mmの時、RVF用が27.6mmの時、imoが51.1mmの時、imoが27.6mmの時、
この4通りの状態で他方のスプリングの長さを特定しておけば、概略の把握は可能です。

ただ上の画像の+2のロングドライバーはちょっと細すぎるので、縮めるとスプリングが蛇行してしまい、あまり正確な評価はできません。今のところ分かっているのは、
「RVF用が51.1mmの時に、imoは51.1mmよりも13mmくらい短い」
「RVF用が27.6mmの時に、imoは27.6mmよりも5mmくらい短い」
この程度です。
ですが、今回の目的に方向性としては合致していることが分かりますね。

朝から早速リターンスプリングだけ入れ替えました。
ドライバービット用のミニラチェットさえあれば、キャブは外さなくてもそのまま入れ替え作業ができます。この辺もRVFキャブのメリットなんですね。

試乗のインプレは・・・、
6000~7000rpm辺りより上の加速感が相当に上がりました。
おもいっきり効果あります。

imoのリターンスプリングはバキュームピストンとジェットニードルもセットになっていますので、さらに調子に乗ってバキュームピストンもimoを入れてみました。サクションホールが大きいんです。

その試乗インプレ・・・、
ガバ開けの反応がかなり良くなって、総合的には相当な加速性能になりました。
もちろん万全な訳ではないので、扱いにくい面も多々ありますが、パワーはすさまじいです。

一旦帰宅してパイロットスクリューを0.5回転絞って(1.5戻しになる)、200kmくらいの長距離試乗をしてきました。
ガツンと反応するのは6000回転以上、それ以下は結構ダル、ただしおもいきり開けると低回転でも力強く加速する、←こんな感じでした。
相当な加速力なので、峠で本気を出してムキになって走ると、時々フロントアップします。
スプロケは15の40でNC30標準です。
(RVFだと15の38が標準ですが、リヤタイヤの外周分の補正で38になるのだと思います)
ザリガニ号にはパイロットパワー2CTの160/60ZR17が入っているので、普通の150/60R18タイヤの外周と比べると3%くらい小さいですから、ギヤ比で3%だけ加速側にインチキしていることにはなるんですが、それでも、
「4スト400でギヤ比ほぼノーマルでパワーリフト的挙動あり」
ってことです。
ちなみに腰下はRVFなので、NC30みたいに1速で100キロは出ません。85キロくらいです。

後出しジャンケンですけど、私のエンジン製作には出力について目標がありました。
それは 『クラッチを使わなくてもアクセルだけでフロントアップ』 だったんですが、今日の状態で半分くらいは達成されたと思ってもいいのかもしれません。

でもツーリングライクに乗るのには向いてないな~。
多分浮きすぎのせいでしょうけどガバ開けしないと下のトルクがないし、浮きすぎのためかどうかは不明ですがなんか妙にウルサイっぽくて疲れます。

単純に考えると、
「RVFのリターンスプリングが51.1mmの時、すなわちRVFのバキュームピストンが浮き始める負圧の状態で既に13mmもバキュームピストンがリフトしてしまっている」
っていうことですから、問答無用にバキュームピストン浮きすぎで、しかもある程度の回転数を超えていない限りは“霧化がおもいっきり不十分”だとか、
そんなような感じがします。

ま、でも、今後の再改造の方向性は見えてきたように思います。