いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

NC30キャブ用のHRCバキュームピストン

前投稿の最後で“軟弱者”なんて単語を使ってみましたが、
実はこの投稿の題名を「軟弱者っ!パシっ!」とかにしてみようかな~、なんて馬鹿げたことを考えていたからなんですね。
軟弱者といえば“平手打ちでパシっ!”です。
これが分からなかったら、35歳未満といったところでしょうか。

ツカミはこのくらいにして、本題に行きます。

NC30には、TT-FⅢと92SS/SPっていう2種類のレース用セットアップマニュアル兼パーツリストがあります。(さらに他にもあるかもしれませんが)
92SS/SPの方はレギュレーションが厳しいようなのですが、TT-FⅢの方はかなりのところまでの改造がレギュレーションで許されているようで、レース用のバキュームピストンがパーツリストのページに記載されています。もう売っていないとは思いますが、部品番号は16111-NL1-000です。

イメージ 1
これがNC30キャブ用HRCバキュームピストン。左側のヤツがそれです。
右側のものはNC30用の純正です。写真撮影用にジャンクキャブから引っ張り出したものなので、すんごい汚いです(すみません)。

サクションホールの直径は私の実測で、HRCが1.6mm、純正は2.0mmでした。
見ての通りHRCは2穴です。


イメージ 2
こちらは平面に置いての撮影です(画像はちょっと斜めになってますけど)。ジェットニードルは、既に私が選択したムフフのものが組んであります。(純正の方はジェットニードルも純正です)

ジェットニードルの根っこに相当する部分の高さは同じなんですね。


イメージ 3
キャブに組み込むとこうなります。
これは、純正バキュームピストンのゼロリフト時。

イメージ 4
こちらはHRCのゼロリフト時。


イメージ 5
これは、純正のフルリフト時です。
隠れてしまって写っていませんが、ニードルの向こう側にサクションホールがあります。

イメージ 6
で、こちらが、HRCのフルリフト時。ベンチュリーの形状に合うようにしてあるんですね。
ですので、ある意味、純正の方が通路が広くなると理解できないこともないです。
デッドスペースが広くなるのは却って好ましくないってことでしょうか。

イメージ 7
これは、ゼロリフト時にバキュームピストンがキャブのボディーに載っかる面を表しています。矢印の先端で示した面でキャブのボディに載る格好になります。

イメージ 8
キャブのボディです。
それぞれのバキュームピストンがどの面でキャブに載るのかが、分かりますよね。


ニードルの選択ですが、レース用セットアップマニュアルには、以下のニードルがラインナップされています。
 TT-FⅢ
  8ZH φ2.465
  8ZJ φ2.475
  8ZK φ2.485
 92SS/SP
  8ZF φ2.465
  8ZG φ2.475

イメージ 9
真ん中が、私の選んだ8Z?のジェットニードルです。
右側がNC30純正のJ51A(リヤバンク用)
左側がNC30純正のJ51B(フロントバンク用) です。

J51A、J51Bともにストレート部分の直径は、実測でφ2.485でした。
テーパーの差異は、目視では私にはまったく分かりません。こんなんで差があるといえるの?って文句付けたくなるくらいにしか違わないんじゃないかと思います。

私は別にレーサーみたいに直キャブ化する訳じゃないから、どのZニードルを選択したのか分かりますよね。

ところで、Zのニードルは純正より2mmばかり短いんですが、この違いはあまり気にしなくてもいいように思えます。
Zのニードルでも、フルリフト時で先っぽが5mm以上筒の中に隠れたままですから。
問題はトップから同じ距離の部位で太さがどのくらい違うか、なんじゃないでしょうか。

ニードルに黒くマーキングしてありますが、私が撮影用に付けたものです。
ストレート部分の最後のところなんです。
つまりZのニードルの方が1mmくらいストレート部分が長いんですよね。
若干???って気もするんですけど。


このバキュームピストンとニードルをNC30キャブに組み込みました。
リターンスプリングは、以前の投稿の⑫⑬⑩⑪を使いました。
その選択の根拠は特にはなくて、
“一定荷重時の長さが比較的長めで、同じような長さのヤツ”
ていう程度です。組み入れた場所は以下の通りです。適当です。
 左前気筒:⑫
 右前気筒:⑬
 左後気筒:⑩
 右後気筒:⑪

で、試乗です。実は18日の日曜日の午後に済ませてしまっています。
そのインプレは・・・、

『バッチシ、ビンゴ』でした。
全域トルクもりもりで、理想に近いレベル(ちょっと大げさかな)じゃないかと思います。
いつもの裏山ヘアピン峠では、8000rpm以下だけで完全に満足できるレベルのトルクで、脳内・・状態で走れます。3000rpmだろうが5000rpmだろうがゴキゲンの状態です。
あとはメインジェットをちょっと太くするのとPS調整と同調調整なんかをした方がベターかとは思いますが、現状でも十分です。
さすがはHRCのレースパーツだね~、と思ってしまいました。





さてと、どうでしょう。今日の投稿はなんか変でしたか?。

今日はおもいきりウソを使いました、ゴメンナサイ。
※試乗インプレはウソじゃないですよ。
組み込んだバキュームピストンとZのニードルは、すべてNC24の物です。
88年式のVFR400R(NC24)の純正部品です。
Zのニードルは“8ZC”でφ2.485です。NC24の純正です。


NC30のキャブにも、少し疑問があったので試したんです。
少しはリミッター掛けてあるんじゃないのかな~、みたいな感じで。

NC30のキャブってどうなのかっていうことを、88年式の設計思想に訊いてみた訳ですね。
NC24は開発年式が87年なので、厳密にはいわゆる88とはちょっと違うことになるのかもしれませんけど。

RVFキャブからNC30キャブに戻したら、下の回転数のトルク感が増すだろうっていう予感は当然していたんですが、NC30キャブそのまんまで組むよりも良くなっていると思います。
※人によって感じ方が違う筈ですから、俺も試したけどそんな風に感じなかった、とか言われても責任は持てませんけど。

「さすがはHRCのレースパーツだね~」なんて書きましたが、
本当は「さすが88の部品だね~」と思いました。

今日の投稿の“ツカミ”が分からなかったら“88”も分からないかな~、とかって思います。


ちなみに88NC24のメインジェットはall#115で、メインジェットホルダーはNC30と同じリヤ10穴のフロント8穴でした。
ただ、今回使ったNC30キャブに入っていたメインジェットの番手は恥ずかしながら不明です。忘れてしまっているので(all#110かall#115のどっちかの筈ですが)。

お調子に乗ったような投稿ですが、何卒ご勘弁ください。