いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

イッカです

というのはウソです。
「タッコです」の調理編です。

前回紹介したタコですが、釣り上げた後、即帰宅しました。


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1時間掛けて持って帰って、こんな状態です。なんとか活きていました。

タコって普通にスーパーに売っているのは、アフリカ近辺海域産のマダコに近縁な種のタコで、実は、ゆでダコではなくて“蒸しダコ”です。
私は具体的な調理技術は承知していませんが、とにかく“蒸しダコ”なんですって。

今回私が作るのは、普通にアンチョコに“ゆでダコ”です。
生のタコっていうのは魚と同じで、表面に強烈にヌルヌル成分があります。
ですので、蒸しダコの場合にどんな前処理をするのかは知りませんが、少なくともゆでダコを作る場合は、茹でる前にタコ全体に対して“塩で揉む”っていう作業を施してヌルヌル成分を取り去る必要があります。
 で、普通は、塩で揉んでから熱湯で茹でてゆでダコにする訳なんですが、塩揉みすると当然の如くある程度の塩分がタコの体の中にも入り込むので、出来あがったゆでダコにも結構塩分が残ります。ヌルヌル感とか魚臭さが残るのを嫌って念入りに塩揉みしたりすると、かなり塩辛いゆでダコになってしまって、塩味のせいで味が悪くてがっくりしてしまうこともあります。 
 なのですが、今回は釣りに行く前にネットでああでもないこうでもないとタコ釣りについて予習していたので、塩揉みについての究極奥義の情報をたまたま入手していました。

 その究極奥義とは「塩でなくて米ぬかで揉む」です。


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米ぬかで、比較的念入りに揉んだ後です。
「タコの体全体に米ぬかをまぶして揉む→米ぬかに絡めとられたあるいは浸み出したヌルヌル成分を米ぬかごと洗い流す」という作業を4回くらい繰り返しました。


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これが茹でる直前の状態です。この状態でもやたらと美味しそうに見えますね。
 足は敢えて2本×4に分割してあります。どのくらいの時間茹でるかの茹で加減がかなり難しいんです。安易に全部茹でて茹で加減が外れだったら泣けますので、2本づつ茹で加減を実験するような構想で茹でます。
※ちなみに、このタコはそんな大きい個体ではないので2本づつ茹でることにしましたが、店舗で売っているような立派なタコの場合は1本づつ茹でた方がいいんじゃないかと思います。

では、いよいよ茹でます。
“えっ”て言われそうですが、1回目は“たったの25秒茹で”でチャレンジしました。

要領は特にありません。完全に沸騰した熱湯にタコの足を放り込むだけです。
25秒経過したところでタコを箸で拾い上げ、予め汲んでおいた室温の水に入れて完了です。

水道の流水で少し冷やしてから、表面の水分をほぼ完全にぬぐい去り、包丁で刺身に切り分けます。


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この皿に載せてほんの数分冷蔵庫で冷やしてから、醤油を少しだけ付けて食べました。
すごく美味しかったです。

 ちょっと食感が固い感じがしたので、残る3本は茹で時間を変更して、以下のような結果でした。
 15秒:ゆで不足で半生のため、食感は却ってさらに固い
 40秒:いい感じ
 50秒:いい感じ(私としては最良)

普通は3分くらい茹でるらしいんですが、私と同じように1分くらいを推奨する情報もあります。どちらが良いのかは何とも言えません。分からないです。



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こちらは、調子に乗って次週のプチ夏休みの時に、関西の実家の近所のスーパーで買ったマダコです。
大きいタコは、茹で加減が難しくて味的にあまりいい結果にはならない(あるいは、小さいタコに比べると、そもそも味が良くない)と知っていたんですが、これしか売っていなかったので仕方なく買ってしまいました。
重量的には、私の釣ったタコの3倍以上あったと思います。
買った時は気がつかなかったんですが、完全に死んでいるものでした。

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同じように米ぬかで揉んだ後です。
私の釣ったタコの米ぬか揉み後と比べると、だらしなくクタクタになっているのが分かりますね。色的にも赤みの有無でかなりの差があります。


で、出来あがったゆでダコのその味は・・・、

米ぬか揉み後の写真の通りでorzでした。
包丁で切って刺身にした後に刺身から水分が浸み出してくるし、死んでから時間が経ったタコだと美味しくないんでしょうね。
多分店舗のショーケースに並んだのも買ったその日じゃない物なんだろうな、と後から思いました。

スーパーの鮮魚コーナーに生ダコが売っている場合、大概は生きています。
ラップの上から指で軽く触れると、発色している体液が動き回ります。
多分死にかけのタコでもそんな状態になると思いますので、足が露骨に元気に動き回るくらい活きがいいのが理想なんじゃないでしょうか。
※ちなみに完全に死んでいるタコでも、塩や米ぬかで揉む時には吸盤が指に吸い付きます。

今回私が買ったヤツは、ラップの上から指で触った時の時の体液の動きも特になかったんですよね。買うの止めといた方が良かったです、愚かでした。


ま、いずれにしても究極奥義の米ぬか揉みに関してだけは大成功でした。
塩味はまるで付きませんし、ヌルヌルや魚臭さもバッチリ取れます。ヌカ臭くなるなんてこともないです。
私が釣った程度の小ぶりなマダコでバッチリ活きが良いのをどこかの店舗で見かけたとしたら、その場合はオススメです。
私にはすごく美味しかったんですが、蒸しダコよりは食感が圧倒的に固いので、固いという時点でアウトっていう方には向いていなさそうですが。