いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

NC30(VFR400R)のリヤの17インチ化

まるで検索に掛かることを狙ったような表題ですが、ご勘弁願います。

ここのところ、ろくすっぽ更新していないんですが、訪問履歴は10件/日をコンスタントに超えておりまして、大変光栄といいますか、妙に有難いような気持ちです。ですので、ちょっと気合い入れて技術的な内容で更新してみようか、なんて思い上がったことを考えつつの更新です。

 実は更新していないなりに、結構単車には乗っているんですけどね。ついつい更新をサボっているだけです。
 水冷オイルクーラーを付けてみたりとか、キャブを完全にNC24化してみたりとか、行動実績もそれなりにあって、議題にも事欠かないんですが、ついついサボっています。

 で、久しぶりの更新の議題は表題の通り「NC30のリヤ17インチ化」と言いたいところですが、実は釣りみたいなもので、本当は「NC30のリヤ17インチ化に関しての私の持っている情報公開」みたいな感じです。改造整備記録の報告っていう感じの趣旨とはちょっと違います。

では開始します。 
皆さんご存じの通り、NC30っていう単車はリヤタイヤが18インチです。それはそれでなかなかの乗り味だと思うものの、具体的なところは省きますが18インチのディメリットを嫌ってNC30を17インチ化する方は、かなりいらっしゃるようです。
 その17インチ化実施の結果として当然の如く出てくる問題は、
「リヤの車高が下がってしまう」
なんですが、これの対策論法として某掲示板を中心にまことしやかにまかり通っている情報が、皆さんもご存じのように、以下の通りです。
 ①リヤサスをRVF純正品に替える + ②リヤサスリンクをRVF純正品に替える

 これについて簡単に考察してみましょう。


イメージ 1
これがNC30(後期)の純正リヤサスとRVFの純正リヤサスです(上がNC30用で、下がRVF用です)。
NC30純正リヤサスは前期と後期で違いがあり、スプリングの自由長等の設計も明らかに違うようなので、申し訳ありませんが前期については考察対象外です。
※性能的な設計としては基本的に同じにしてあるかも知れませんけどね。

この画像は画角の影響で手前側の寸法が大きく映ってしまっていて、RVFサスの方が全長が明らかに長いように見えますが、ぱっと見的にはほぼ同じ長さに見えるのが普通です。この投稿の準備を始めるまでは、私は同一長だと思い込んでいました。
 なんですけど、じっくりよーく見てみると、どうもRVF用の方が長いようです。


イメージ 2
ですので、こんな感じで、それなりに正確に評価できているであろうと勝手に予測しながら評価しました。結果は以下の通りです。
 上下のボルト穴中心間同士の距離が
  NC30用:305.0mm
  RVF用 :309.5mm

結構違いますね。

画像から明らかですが、その他に、
・スプリングの長さが違う。
・スプリングのピッチが明らかに違う。
っていう違いもあります。
 ちなみにスプリングっていうのは、同じ仕様のまま例えばスプリングの全長を2倍にしたとすると、同じ一定の長さだけ縮めるのに要する力は半分になります。分かりやすく言うと、
 同じ仕様のスプリングで
 ・全長100mmの物を90mmに縮めるのに要す力
 ・全長200mmの物を190mmに縮めるのに要す力
 は、上段の力が“1”なら、下段の場合は“0.5”です。

スプリング鋼線の太さは、画像ではぱっと見同じに見えますが、ノギスでの実測では、
 NC30用:12.3mm
 RVF用:12.1mm
でした。塗装の厚みが違っているかもしれませんし、この0.2mmの差をどうこういうことは難しそうですが。

工学的や物理学的な理屈は抜きにして、単に結果的な現象上の問題として、
『NC30のリヤサス(だけ)を“NC30用純正”から“RVF用純正”にスワップ
したら、車高はどうなるんでしょうね?


イメージ 3
こちらはリヤサスリンクの三又部分です。右がNC30用、左がRVF用です。
映りのせいでちょっと違っているように見えるかとも思いますが、寸法的には完全に一緒のようです。色々な角度や組み合わせ方で用心深く照らし合わせて比較しましたが、寸法的にはまったく同一としか思えませんでした。

 両端のボルト穴が、それぞれの車両のサスのボトムと連結する部位になるのですが、NC30用ではここにベアリングが入っていません。ゴムブッシュの中にメタルカラーが打ち込まれているだけのようです。
 他の5つのボルト穴にはすべてベアリングが入っています。ダストシールの奥側にニードルベアリングというベアリングが入っていて、このベアリングの中に画像に映っているメタルカラーを挿入する格好になっています。
※ボールベアリングならあっさりイメージが湧くかと思いますが、ニードルベアリングの場合はボールの代わりに円柱状の物が入っています。“針”って感じの物が入っている訳ではありません。

 ニードルベアリングが入っているとその動きは低抵抗で滑らかで抜群ですが、そうでないNC30用の一カ所については、
「動かへんやん、コレ」
っていうくらい動作が渋いです。
 まあでも、メーカーも百も承知で“敢えて”だと思いますけどね。
理由はコストでなくて、設計思想じゃないかな~? はたして、どうでしょうか。

イメージ 4
別の角度から。


イメージ 5
こちらはリンクアームです。
右からNC30用、RVF用、NC30用、RVF用です。
NC30用の方が少し長いんですね。


イメージ 6
別の角度からです。
同じように上から、NC30用、RVF用、NC30用、RVF用です。
右側(車両装着時の前側)にはニードルベアリングが入っています。

私の実測評価では、
前後(車体装着時でいうところの前後です)のボルト穴中心間同士の距離が
  NC30用:113.0mm
  RVF用 :109.0mm
 でした。
これも結構違いますね。


さて、これらの違いにはどのような意味があるのでしょうか?
もちろん私も把握していません。

続く(スローペースになりそうですが、何卒ご勘弁を・・・)