いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

あた!

 密書の中身をつぶさに調べました。調べたというより、国内仕様用のサービスマニュアルと比較したといった方が事実に近いですかね。

 多分3時間くらいだったでしょうか。かなりじっくりと調べたんですけど、ほとんど違わないです。ありとあらゆる数値が同じでした。カムの仕様も、各クリアランスも、なんでもかんでも完全に一緒でした(私の見落としもあるかもしれませんけど)。
「なんだ、ほとんど違わないや、がっかりだなあ」って感覚です。
ですがせっかくですので見出した僅かな違いを紹介していきましょう。

 違ったのは、

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まずこれ。
 オイルクーラーが着いているんですね。私は具体的な仕様等は承知していませんが、NC24のオイルクーラーともしかして一緒だったりするのではないでしょうか。

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なるほど。
 セルモーターの下にある妙な突起状の構造物にはこういう意味があったんですね。
オイルポンプの能力には違いがあるのでしょうか。


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上の念写が欧州仕様で、下の念写が国内仕様ですが、
 オイルポンプの能力に違いがあるのか否か。う~ん、情報不足でちょっとなんとも言えない、といったところでしょうか。

 それにしても、オイルの仕様に関しての情報が欧州マニュアルの方が親切な感じですね。どうしてでしょう。


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ラジエターフルードの容量です。
M型は2.0リットルで、それ以外の型は2.1リットルということのようです。
国内仕様はK型L型N型ともに2.1リットルなんですが・・・、
 M型が0.1リットル少ないのはどうしてでしょうか。オイルクーラーの関係で、どこかにスペース的な変更を生じさせるを得なかったんですかね。だとするとオイルクーラーが着いているのはM型だけということに・・・、  う~ん、これもよく分からないです。

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フロントフォークの仕様です。
 Fork oil level(油面)が122ミリというのは、国内仕様のL型N型に同じですね。やっぱり欧州仕様にK型(89年式)は存在しないのかな。※国内89年式の油面は90ミリです。
 
 Fork oil capacity(フォークオイル容量)は390mlで、M型だけ404mlとあります。国内仕様のフォークオイル容量は、K型が450mlでL型N型が390mlですから、欧州仕様のフロントフォークは基本的に国内のL型N型と同じで、M型についてはちょっとだけ中身が違うってことでしょうか。

 ま、いずれにしても、ここまではあまり興味を惹かれない違いなのではないかな~と勝手ながら推測します。


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これが一番重要な違いと思います(といっても大した中身ではないし、そもそも実はインターネットの各所で結構既出の情報です)。

 まず、キャブの管理号機は・・・、
 国内仕様の管理号機は( )内を特に議論しないものとすれば、K型がVDE3AでL型N型がVDE3Dでした。
 この欧州仕様の管理号機の場合、( )内は国を指すということのようですから・・・、・・・、???、
分かりません。キャブの管理号機については追及しないことにしましょう。
 
 メインジェットは、ぱっと見では分かりにくいような表記になっているので、ちょっと解読にチャレンジしてみましょう。

 altitudeって飛行機に乗った時に案内画面に出てくるのをよく見る単語なので、多分“高度”です。
「High altitude → -」で、多分「このキャブには高地補正機能なんてないよ」っていう意味だと予想します。

 2,3は、フロントバンクの気筒番号(2,4)でも、リヤバンクの気筒番号(1,3)でもないです。1,4についても同じくです。
したがって
「2,3 → -」「1,4 → -」で、
「普通の直4エンジンみたいに外側気筒と内側気筒と分けて考えるっていうようなキャブレターセッティングなんてしていないよ」
っていう意味だと予想します。

 で#122と#120だから、“ああ前が120でリヤが122ね”と思いきや、
「フロントバンクが#122で、リヤバンクが#120」なんですね。

私の知る限り、ホンダの400V4エンジンのメインジェットセッティングは以下の通りで、つまりフロントバンクの方がメインジェットが太いなんてセッティングは初めて見ました。
・87年式のNC24 フロントバンクが#110でリヤバンクが#112
・88年式のNC24 フロントバンクが#115でリヤバンクも#115
・89年式のNC30 フロントバンクが#110でリヤバンクも#110
・90~93年式のNC30 フロントバンクが#115でリヤバンクは#118
・94~年式のNC35 フロントバンクが#108でリヤバンクも#108
・NC30のHRC(TTFⅢ)セットアップマニュアル推奨セッティング フロントバンクが#150でリヤバンクも#150
・NC35のHRCセットアップマニュアル推奨セッティング フロントバンクが#148でリヤバンクが#152 

単なる誤植っていう可能性も考えられますけど、あくまでそれは極論ですね。

 なんでフロントバンクの方が太いんでしょう。
この欧州仕様のサービスマニュアルって、国内仕様のサービスマニュアルと比べるとやたら不親切で、ジェットニードルの番手情報すら載っていません。キャブの中身を始めとする他の様々な部品がどうなっているのかが分からない限り、すなわち欧州仕様のパーツリストを見ることができない限りその答えを知ることは非常に困難のように思えます。
 
お前は既に悩んでいる
この悩みを解く術はない、あきらめろ

そんな気がしますね。

 見出した僅かな差はこの他にあと一点だけありました。次回の投稿で報告させていただきたく思っていますが、これも結構“読むと悩む的内容”かも知れません。




※ちなみに“Pilot screw final opening”っていうのは、国内仕様のサービスマニュアルに書いてある“アイドルドロップ後の戻し回転数”のことのようです。国内仕様は89~93の全年式ともに“1/4回転戻し”となっています。