いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

ヒスイの比重測定

前々投稿(→前々投稿)で紹介したヒスイの比重測定を行いました。


こんな感じで測定します。
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結果は以下画像の通りとなりました。
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糸の重量が1mで0.07gでしたので、水中に沈んでいる糸を5cmと観て、
 0.07g×5cm/100cm=0.0035g=0.0035ml
と仮定し、糸の容積分の補正も施してみました。
まあ、補正しようがしまいが、比重測定値の結果はほとんど変わらないようですが。

ヒスイの比重は教科書的には3.2~3.4くらいらしいですが、実際には3.10~3.30くらいに収まるものだと私は思っています。

④はロウカン質っぽい見映えでモノが良いらしいだけあって、ご立派な測定値を叩き出してきますね。納得です。

⑨は黒系だけあり、やっぱり数値はほどほどでした。
なんだか黒系のヒスイには炭素元素が絡んでいるから比重の数値はイマイチになりがちなのだそうな。

①のヒスイは気に入ってはいますけど、3.2を超える比重を言ってくるとは予想していませんでした。
「色が付いているということは金属元素が全体的に含まれているということで、そのせいで比重の数値が高めになるのかな~」と思ってしまいましたが、その予想理論が当たっているかどうかは何とも言えません。


で、⑧の2.860・・・・・、
ハズレか~?
鑑定打率8/9ですか?

⑧は細かめの結晶が石全体に見えていて、表面のツルツル度もこの9個の中でナンバー1だし、LEDライトを当てると少し緑色っぽく発色するしで、“すっごくいいヒスイ”だと思っていたんですけどね~。

比重の測定なんてスカした真似をしなければ、すごく質の良いヒスイだとずっと信じ続けた筈です。
 丸っこさ度合いの強い石ではありますが、「小さいし押上海岸で拾ったから丸いのは別におかしくないのさ」くらいに思っていました。
※ちなみに③⑤⑥⑧は押上海岸で拾ったものです。

⑧の接写です。
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これでヒスイじゃないなんてちょっと信じられないです。
どうなんでしょうね~、実際のところ。


さて、
「兄より優れた弟など存在せん」というセリフがあります。アニヲタでなくても知っているセリフですよね。

「高比重なヒスイより優れた低比重なヒスイなど存在せん」
たいがいの人はそう思っていることでしょう。
それは、その人の思考回路がジャギだから。

⑧の石は多分“ケンシロウ翡翠”なんです。


と言いたいところですが・・・、
私の思考回路もジャギのような気がするなあ~。

これは良いヒスイだよなあ~と思ってワクワクしながらその比重を測って、結果が3.10~3.15くらいだったらちょっと残念な気持ちになりますよね。

「ヒスイの比重が低め=ヒスイ輝石以外の不純物含有率が多め」っていう考え方が一般的なようですが、そもそもヒスイ輝石の比重って一定の固有数値な訳じゃないような気がします。

分子構造が(C2H4)nで同一のポリエチレンでも、その構造体の比重は0.90~0.96くらいまで色々な物があるように、ヒスイ輝石の比重にも幅があるような気がするんだけど実際のところはどうなんでしょうね。
 
金属元素の混じり具合やヒスイ輝石以外の鉱物の含有率が一定でも、ヒスイ輝石の比重には幅がある。ヒスイの比重測定結果がイマイチだった場合、その理由は「不純物が多いから」ではなくて「ヒスイ結晶の出来や個性が様々で、それで比重が低めになることがある」。』

そんな気がする今日この頃ですが、その言い訳が通用するのは比重3.10までか、あるいは比重3.05くらいまでが限度でしょうか。

いずれにしても⑧の2.860は流石にちょっと駄目っぽいですね。