いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

蝉丸(せみまる)

アラ△グマ:せ、蝉丸ヒスイ?
        (ガーン!)
       
       なんだ? 蝉丸ってなんのことだ?

ケンシロウ:なんだ、蝉丸も知らんのか?
       文人ぶって下手な俳句を披露したりしている割には、やはりモノを知らんな。

アラ△グマ:う、うるさい。
       百人一首の蝉丸だろ。そのくらい知ってるよ。
       句は確か、え~~っと、
       「世の中は、ゆくも帰るも別れては、行方も知らぬ大阪の関」だ。

       どうだすごいだろう。
       僕はあらかじめウィキでカンニングとかしなくても、百人一首くらいスラスラ言えるんだぞ。
       どうだ、まいったか。
       
ケンシロウ:まるで違っているな。
       記憶の断片を繋ぎ合わせて適当に言っただけだろう。
       蝉丸の句の正解を教えてやろう。
       『これやこの、ゆくも帰るも別れては、知るも知らぬも、ヒスイ海岸』だ。
        
       ついでに現代語訳も教えてやろう。
       『これがあの有名な、行く人も帰る人も、ここで別れてはまたここで会い、
       知っている人も知らない人も、またここで出会うというヒスイ海岸なのだなあ』だ。
解説:逢坂の語を削っているので、この現代語訳には無理があります。
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アラ△グマ:え、じゃあ。
       ヒスイ海岸のそんな偉いお坊さんの名前を頭に付けるということは・・・、
       僕のヒスイは糸魚川ヒスイを代表するような立派なヒスイだということだね。
       なんだあ、じゃあ最初からそういう風に言ってくれればいいのに。意地が悪いなあ。

ケンシロウ:残念ながら違うな。
       おまえがお子様の時の冬休みを思い出すのだ。

アラ△グマ:冬休み?

ケンシロウ:いいか。小学校にも上がらんおまえは、家族なり親戚なりと百人一首をして遊んでいる。
       その百人一首が終わった後、“坊主めくり”をやろうかという話になり、坊主めくりが始まる。
       坊主めくりのルールをおまえは知らないが「殿様はそのままゲット、坊主は全放出、
       姫様は放出分ゲット」等とルールを簡単に教わったおまえは坊主めくりに加わる。
       そして程なくしておまえは蝉丸の札を引く。
       おまえは蝉丸の絵を見て坊主でないと安心し、蝉丸の札を自分の持ち札に加えようとする。
       そうしたら、周りの親戚なり家族なりの兄や姉はおまえに対してどう言うのだ?
       
アラ△グマ:そりゃあ、「あ、蝉丸は坊主だよ。札を全部出さなきゃダメだよ」って言うだろうね。
       僕は変に抵抗もせず普通に言うことを聞いて、札を全部机の中央に出す筈だよ。

ケンシロウ:その通り、「一見坊主でないかのように見えるが、その本質は真性の坊主」
       それが“蝉丸”という言葉の持つ意味だ。

       アラ△グマよ、そのヒスイの体積の測定結果を言ってみろ。なぜそれを公開しなかったのだ。

アラ△グマ:くっ。320mlだ。

ケンシロウ:320? 320の3倍でも960だぞ。 それに対しておまえのヒスイは926g。
       比重の計算結果はいくつだったんだ。

アラ△グマ:なんだ、暗算もできないのか。比重は2.89だ。

ケンシロウ:むう~、まさか2.89とは。
       見るからに低質で比重は3.00前後くらいかと思ったが、2.89か。

       分かったか、アラ△グマよ。その石は確かにヒスイだ。
       だがその石を拾ったことを以ってその日の探石が坊主でなかったと主張することは許されん。
       そんなヒスイはまっとうな成果ではない。おまえはまだ川ヒスイ坊主の深いハマリを抜けてはおらん。
       今のおまえはまさに“蝉丸”そのものだ。おまえは“私はボウズではない”と詐称したのだ。

アラ△グマ:くっ、低質でもヒスイはヒスイさ。何言ってるんだ。

ケンシロウ:アラ△グマよ、今のおまえの川ヒスイボウズ状態を例え話で表現してやろう。
       おまえは名神高速を大阪に向けて走っている。
       大津のサービスエリアの辺りから帰省のウルトラ大渋滞が始まる。
       おまえは今、大津トンネルを過ぎその先の蝉丸トンネルの中に居る。
       その先の京都もガチガチの大渋滞。京都と大阪の県境にある天王山トンネルを通過するまで
       渋滞は終わらない。
       いいか、おまえの川ヒスイボウズの長い道のりはまだ始まったばかりなのだ。
       これを抜けるのは容易ではない。まだまだ延々と川ヒスイボウズの深いハマリは続く。

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アラ△グマ:そ、そんな。
        でも正直、今回のこの926g、比重2.89のヒスイの扱いはどうかとしても、
        まともなヒスイを川で拾えることはしばらくはなさそうな気がしているんだ。
        いつだい?僕の川ヒスイボウズはいつぐらいまで続くのかなあ。

ケンシロウ:4月だ。
       おまえのような3流ヒスイハンターには、まともな川ヒスイのゲットは4月になるまでは無理だな。

アラ△グマ:そ、そ、そ、そんな。 あと2ヶ月もあるじゃないか。


解説:私はこのブログを読んだ皆さんを姫川から遠ざけるためにワザとネガティブな内容の投稿をした訳ではなくて、自分の本心に基づいてこのくだらない創作を書いてみました。
ヒスイの各々のブログ等の一部には採集地、採取法、採取シチュエーション、採取日時などの情報についてある程度のウソがちりばめられているものと私は個人的には思っています。ただまあウソはあって当然で、事実そのままに語られないのは仕方のないこと、という風にも思いますが。
私のこのブログも大ウソの宝庫であるかも知れませんね。