いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

種子島産ニホンイシガメ

昨日今日という感覚ではなくて、ちょっと以前の話なのですが、

ある場所で川をなんとなく観察していると、ミドリガメが何匹か並んで甲羅干しをしていました。
10匹弱くらいだったかな。

で、よくよく見ると、どうもその中にイシガメが混じっているようです。
こんなところでイシガメを採ってみたところで自宅の庭での繁殖に混ぜるわけにもいかないし、まあそのままスルーすれば良いようなものなのですが、

「あの模様ってどうみたって種子島だよな!」
明らかにそう思える外観でした。

「まあいいや、交雑するから庭池に入れる訳には行かないけど、折角目の前に種子島が居るんだから、一旦捕獲してその姿を眼前に拝むことだけしてみよう。」
そう思ってウェダーを履いて川の中に降りて行きました。

まあしかし・・・、
そんなアッサリ捕まえられる訳がないです。
普通に水中に逃げて行ってしまいました。

ですが、そこは川とは言えほぼ閉鎖状態の水域で、その10匹前後のカメ達はタタミ20畳分くらいの水域に留まったままでそこから逃げ失せることができない状態です。

そしてその場所に突っ立って待っていれば時折り水面にそのカメ達の一部がプカプカと再度浮かんできます。種子島も時々浮かんできていました。
水深は一番深いところでも50cm程度(ただし水の透明度はよろしくない)、
つまり“よっぽど粘ればあるいはなんとかふん捕まえられるかも知れない”といった状況でした。

「お~し、なんとかしてあの種子島を捕まえてやるぞ!」
そう思って粘って粘って粘り倒します。

上述の通り時折種子島が浮かんでくるので、それを確認してから脅かさないようにそ~~~っと近寄りますが・・・、
そ~っともへったくれないですよね。
“じっとそのまま待っていてくれる”なんてあり得ません(笑)。



ですがついに時は来た・・・、

2時間以上は経過したであろうその瞬間・・・、
前方50cmくらいの障害物の脇で川底が微妙に見えるか見えないかくらいの状態のところを種子島模様のカメがモソモソと移動しているのが見えました。
「キターッ!、奴だ!」
迷わず手を突っ込み素手でそのままカメを「ふんぬっ!」と鷲づかみ・・・、
「おっしゃ~、採ったぞ!」
意外なことに結果的には種子島産イシガメを捕まえることができました。

気分は冗談抜きに
「討ち取ったりい! 真田信繁の首、このアラ△グマが討ち取ったりい!」
といった気分でした。



私の家の玄関ではないのですが、一旦持ち帰っての記念撮影です。
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ね!

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明らかに種子島産のニホンイシガメですよね。
甲長は約21cmでした。








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謎のカメ:『おいっ!』

アラ△グマ:「うわっ! な、なんだ急に?」
        「なんだ? カメのクセに偉そうに。」

謎のカメ:『アホか? アンポンタン理事長かおまえは!』
      『よく見ろ!』



という訳でよく見てみます。
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う~ん。

残念ながらミドリガメ系のカメのようです。
だけど“ミドリガメそのもの”だとはちょっと思えません。


ミシシッピ川流域近辺か南米あたりの産のミシシッピアカミミガメの近縁種でしょうか。


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ミドリガメの場合、腹甲に緑色のモロに目立つ丸い目玉みたいな模様が何箇所もあります。
ですが、コイツにはそれがまるっきしありません。

元々はそういう模様があったけれど発色が変化して最終的に今の腹甲模様になったとも考えられますが、その元々の丸模様の痕跡があるようにはとても思えません。

顔の“赤耳模様”の痕跡はうっすら残っていて、アカミミガメ特有の放射状に横に伸びる背甲の黄色い線の痕跡もはっきり認められます。



かなり気が荒くて、撮影中ずっと口を開けて私を威嚇していました。
試しに顔の前に草履を出してみたら、もろにガブッって噛み付いてきて離そうとしません。
成体のスッポンに近いものを感じました。


メチャメチャ元気で一旦走り出したらまるで暴れ馬、
“時々瞬間的には離陸してるんじゃないかなっ”て思うくらいの見事な暴れ走りっぷりを見せてくれました。
「すんげえ、元気なんてもんじゃねえわ!そんなに暴れると甲羅が欠けるぞ。」
そんな風にすら思いました。



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口の歯の構造が興味深いです。
“獲物を噛み切るナイフ”ではなくて“細かいギザギザによる摩擦力で獲物をがっちり確保する”という目的の構造になっていると理解できました。

記念撮影を終えてから元の川に放流したんですけど、
水際にポンッっと置いたその瞬間猛然と泳ぎ去るその力強さ、泳ぐ動作の早さ、泳ぐスピード自体の速さ・・・、
スッポンといい勝負くらいの運動能力で、見とれるというか蕩けてしましました。

甲羅の模様が結構美しいし飼ったらかなり魅力的なんだろうな~と思いつつ見送りました。



世間的には、こういうカメは“ミドリガメのオス成体の黒化したもの”なんだそうですが・・・、

インターネットでのカンニングによりそういう答を与えて貰わない限り、コイツがミドリガメだなんて言われても、
多分私は絶対に信用しないと思います(笑)。
というか、今現在でも半分しか信じていないな。

つまり今でも「あいつはただのミドリガメな訳じゃないかもしれない」と、半分は思っています。
 ・腹甲の模様が普通のミドリガメとあまりにも違っているし、
 ・幾らミドリガメでもあんなにパワーねえぜ普通、
そんな風に思っています。

まあ、どっちでもいいのですけど。