いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

シリンダーヘッドブロックの組み付けを完了です

いよいよ、シリンダーヘッドブロックの組み付けを開始します。

イメージ 1
使い回し画像ですが、シリンダーヘッドボルトです。
組み付けに掛かる前に、ボルトへのオイル塗布をどうするかという問題があるんですが。

他のページにも記載されているのを私が見落としているのでなければ、RVFのマニュアルには“ボルトの頭部分にだけオイルを塗布すること”と理解できる図示がされています。
なんですがNC30のマニュアルだと“ボルトの頭と座金とネジ部分にオイルを塗布すること”と理解できる図示がされています。

NC30のマニュアルにもRVFのマニュアルにも明らかな誤記が結構あります。
 例
 ・ヘッドブロックの歪み限度がNC30とRVFとで小数点一桁違っている
 ・リートリングの当たり巾標準値がNC30とRVFとで1対2の違いがある。
 ・NC30のタペットクリアランス合わせのための計算式が明らかに変。
なので、マニュアルを完全信奉すればいいっていう訳でもないんです。
後発の資料が正っていうセオリーもありますけど、その考え方も結構不安です。

要は、思い切り疑わしい時は自分の理論で責任を取るつもりで組むしかない訳です。

色々考えて、ボルトへのオイル塗布はNC30のマニュアルに追従することとしました。
上の画像は3カ所へのオイル塗布済みの状態です。ちょっと遠慮してしまったので、あんまりベットリとは塗れなかった訳ですね。
代わりにシリンダーブロックの雌ネジ穴に綿棒でオイルを給油しました。
一穴あたり0.2mlくらいかな。

で、前投稿の計画通り、
 1.0kg→2.5kg→3.7kg
でサクサクと締め付けます。フロントバンクから着手しました。
なるべく均等に対角締めするようにはしましたが、順序はあまり気にしません。
NC30のマニュアルとRVFのマニュアルとで締め付け順序の表現が違っていて、どういう順序が正解なのかはっきり言って分かりません。

ちなみに、緩める時も“均等にすべてのボルトを対角に少しづつ緩める”のがセオリーなんだそうです。
締め付ける時と同じで、緩める時も均等に作業しないと歪む可能性があるとのことです。

でも私は最近までそれを知らなくて、今回の6000エンジンのヘッドを腰下から分離する時、ヘッドボルトを一つづつ完全に別々に緩めてしまいました。
実は、それで不安になってストレートエッジをわざわざ買って、ヘッドの歪みを確認してるんです。そんなには問題ないみたいでしたけど。

3.7kgの締め付けが完了したら、待ち時間を取らずにそのまま2~3分間増し締めを行いました。
4回ずつくらいだったでしょうか。


フロントバンクの締め付けの結果や締め付け時の状況には満足して、同じようにリヤバンクを取り付けます。


イメージ 2
仕上がったリヤバンクです。

これが全然ダメ。
理由の理論がほとんど分からないんですが、中央の下の2本と右上の1本が締め付け時にギコギコと思い切り鳴いてしまって、スムースな連続動作で締まっていってくれません。
摩擦が大きくてレンチで掛けている力が摩擦の方に消費されて、肝心の締め付け力が失われている状態と思います。
 他の5本は大体いいんですけど、鳴く3本はヘッドを外す時の緩め時くらいに露骨に鳴きます。トルクレンチの“カックン”を聞き取り損ねるくらいです。

鳴くボルトの内の1本だけ別のNC30エンジンのヘッドボルトと入れ替えてみましたが、あまり変化がないです。
均等締め付けおよび緩めの理論からすると、もうこの時点で無茶苦茶。
ガックリ来ながらさんざんクヨクヨと悩んで、リヤバンクのヘッドを一度外すことにしました。
以前の経験で“1時間以内くらいならヘッドガスケットはパーにならない”と考えていましたので。

塗布するオイルの量を増やしたり、鳴かなかったボルトと位置を入れ替えたり、ボルトだけの締め緩めを繰り返して滑り具合の改良を試みたり、
で、まあなんとか程々の状況で組み上げることができました。
問題があるのは主としてボルトよりは雌ネジ穴だったようで、その3か所の鳴きは完全には収まりませんでしたが(右上はほぼ収まった)、1回目のモロに鳴きまくりよりはかなりマシで、締め付けトルク2.5kgを超えるとある程度鳴く、くらいでした。

ですので、8本とも0.1kgオマケして3.8kgにしてしまいました。
オマケしたくなるくらいだから、結構不安だった訳ですね。

しゃんとした記憶がある訳ではないけど、エンジン弄りを始めた頃は、シリンダーヘッドボルトの鳴きなんてあまり気にしていなかったかも知れません。
摩擦で締め付けトルクが喰われるっていう理論を知らなかったから。


イメージ 3
今日は結局カムまではできませんでしたが、完成したヘッド取り付け済みのRVF+NC30エンジンです。

目の前に初めて実現したパンダなコントラスト。
不安満載ではあるけど、楽しみです。