いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

ヘッドボルトをどう締め付けるのか

ヘッドの組み付けを開始しますが、メタルの浸蝕をウルトラカッパーで埋めた跡を撮影してみました。

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いいのか悪いのかって感じですが、まあ問題外ってことはなさそうに見えます。
ヘッドを組んだら、燃焼室やラジエター水路にウルトラカッパーが押し出されるようにはみ出すなんてことも起こらないで済みそうです。


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ヘッドの組みつけに使用するヘッドボルト一式です(リヤバンク分)。

このヘッドボルトの組み付けが私的には最も気を使うところです。

以前の投稿でヘッドボルトの締め付けトルクについて、“責任を持てないからムフフ”とかいう愛想のないことを書きましたが、今日の投稿は画像も揃っていなくて面白みがないので、その代わりに公開してみます。
ただし、参考になされる場合は完全自己責任になります。何が起こっても私はまったく責任を持てませんので、その辺りはご理解ください。


サービスマニュアルの指定値は以下の通りです。NC30でもRVFでも同じ数値です。
 シリンダーヘッドボルト:3.6kg
 銀色の細いシリンダーヘッドボルト:1.2kg
 カムシャフトホルダボルト:1.2kg

で、今のザリガニ号のNC30エンジンは以下の通りに締め付けてあります。
※私の持っているトルクレンチにおける数値でしかなく、絶対値ではありません。
 シリンダーヘッドボルト:4.2kg(4~5日間の間、毎日増し締め実施)
 銀色の細いシリンダーヘッドボルト(上の画像の左の3本):1.2kg
 カムシャフトホルダボルト:1.6~1.7kg

無茶苦茶な締め付けですが、何故こんなことをしたかというと、
 まず、シリンダーヘッドボルトは、締め付けトルク不足になるのが怖くて、馬鹿げていると知りつつ敢えてそうしました。増し締めはやるべきでないらしいことも知っていたんですが、これも敢えてです。現状ではヘッドガスケットのゴム材質が外に結構はみ出してきていますので、締め付けすぎなんだと考えられます。ですが格別の不具合はないので、一応は結果的には及第点の範囲だと思っています。
私が気付いていないだけでかなりの悪影響が出ているってことも考えられますが。
 カムシャフトホルダボルトは、92年式のNC30のエンジンで締め付けトルクを検証したら、私の持っているトルクレンチではそのくらいの数値だったので、それに合わせました。
銀色のボルトは素直に規定値通りです。こいつは材質が弱いので、保険のつもりで強く締めると簡単に折れます。私のメモには“1.8kgでアッサリ折れる”って書いてありました。


今回の組み付けの前にも、近所エンジン(89年式のNC30エンジン)のフロントバンクでヘッドボルトの締め付けトルクを同じ方法で検査しました。
その結果は以下の通りです。
※ボルトを外してオイルを塗りつけてからの評価です。
※個々の測定値をすべて記載します。
 カムシャフトホルダボルト
  インレットカムホルダ:1.9kg、1.9kg、2.0kg
  エキゾーストカムホルダ:1.5kg、1.6kg、1.5kg
 シリンダーヘッドボルト
  インレット側:4.3kg、4.1kg、4.2kg、4.6kg
  エキゾースト側:3.8kg、3.8kg、3.0kg、3.9kg
  ※サーモスタット取り付けブロック側から記載。

この結果から客観的に言えることは、
・トルクレンチの機器誤差あるいは不具合、トルクレンチの使い方の悪さ等を考慮すれば、まるでアテにならない可能性も考えなければならない。
・この力で締め付けられていた訳ではなく、現状がこうであるだけである。すなわちメタルのブロックかボルトの伸縮の影響で変化したのであって、新車時には規定値通りの締め付け状態だったかも知れない。

確実なところとすれば、この程度しか言えません。
じゃあ何も言えてないのでは?。 う~~ん、言えてないですね。

今回の素材にするRVFエンジンでカムシャフトホルダボルトだけ、同様の検証を行っていますが、その結果は1.2kg程度で、マニュアルの値通りです。
NC30エンジンの場合の検証結果とは違いすぎています。
ま、ただ、前のオーナーが何らかの理由で触ってマニュアル値通りに締め付けたから、って可能性も考えておく必要があるんですが。


で、どう締め付けるのかの私なりの結論ですが。

結論
 シリンダーヘッドボルト:3.7kg(保険で+0.1kgという趣旨)、後日増し締めなし、1.0kg→2.5kg→3.7kgの3段階で締め付け、最後に数回増し締めする(増し締めまでの待ち時間はとらない)
 カムシャフトホルダボルト:1.6kg
 銀色の細ボルト:1.2kg
 ※私の持っているトルクレンチの指示値として


どんなエンジンに仕上がるかを確認しない限り、何も分からないってことになります。
理論が見えてこないなりに、何らかの結論は出さなければならないので無理矢理出した結論です。

不安ですけど。