いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

1月の能登タケノコメバル 美味しくいただきます

昨日1月18日(火)、自宅台所での撮影です。このバッカンの中に1月16日(日)に釣ったタケノコメバルが居ます。

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台所などと言いますけど、今の時期の我家の部屋の中の気温は3~4度くらいです(笑)。ということはこのバッカンの中の水温もそのくらいなんです。魚を釣ったポイントの海水温よりよっぽど低いんですよね。だから、こんな時期にフラットフィッシュでこれをやると、バッカンの中でちゃんと生きていますけど、半冬眠状態になっているかの如くすごくおとなしくなってしまいます。呼吸回数もすごく少なくなるし、触ってもあんまり動きません。

私はタケノコメバルを1月にこういう風に「アラ△グマ水族館キープ」したのは今回が初めてです。なので「マゴチを寒い時期に自宅キープするのと同じで、ほとんど動かなくなっちゃうんだろな~」と思っていました。

でもその予感は外れました。タケノコメバルって低水温にメッチャ強いんですね。やたらと元気で、蓋を開けて様子を見ればワラワラ動いているし、触ろうとすると普通に元気に暴れて逃げ回りました。さすが、この極寒期に穴水の水深50cm程度の極浅のテトラ下で元気に活動しているだけありますね。そういう特性を持った魚なんですね。

バッカンの上に乗せてあるハサミとキリと魚摑みは、魚を絞めるための道具です。他にこの神経棒も使います。

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神経絞めまでする必要はないと思っているんですけどね、私的には。脳絞めだけだと、魚捌きの最終段階で背骨を断つ時に当然同時に脊髄も断つことになりますから、神経締めしていないと脊髄に包丁の刃が入った瞬間に台所のシンクの中でかなり元気に暴れて水やヌメリの飛沫を浴びせられることになります。それが嫌なので神経絞めもやるようになったのですが、魚を美味しく頂くためのノウハウとしての位置付けでは「別に神経絞めなんてやんなくてもいいんじゃないかな~」くらいの認識をしています。ま、実際のところどうなのかはよく分かりませんけど。

 

で、一式を庭に持っていって絞めてきました。

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やり方は、

「赤い魚摑みを魚の口内に深く突っ込んで下顎をしっかり摑む」

「その状態で、ハサミで左右のエラを一箇所ずつ切る→そのまま海水中で血抜き開始」

「キリで脳締めする」

「魚摑みを離す」

「神経棒で神経絞めする」

「エラ切り後5分くらい経過したら完了」

といった流れです。水温3~4℃程度なので、作業中に私の手は一発で痺れてしまいましたが、魚の方は低水温へっちゃらのようでした。

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魚の全長は28.1cmでした。お腹がペタンコというか、中に入っていた何かが抜けてしぼんだかのような形状になっていますね。でも身全体は結構肥えているように思えます。

ウロコ掻きはこれ、ダイソーの100円のヤツを使っています。

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ウロコ掻き完了です。ウロコ掻きって魚の種類によって、やり易いやり難いにかなりの差があるものなのですが、タケノコメバルはこのウロコ掻きがとってもやり易い魚種なんです。ウロコ掻きがやり易い魚の最右翼といってもいいんじゃないかと思います。

 

捌き完了です。

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私はタケノコメバルの場合は普段はカマだけ食べてカブトは食べないのですが、半年振りくらいのタケノコメバルなので、今回は敢えて頂くこととしました。なので、気まぐれクックの真似をして「塩水で少し洗う」ってことをやりました。これをちょこちょこっとやっておくだけで、魚のヌメリや臭みがアッサリとかなり取れますから、オススメの作業です。※上のカマとカブトの画像は、塩水洗い完了後の画像です。

 

肝心の魚本体の方は、ペーパーで水分とヌメリを取れるだけ取った上で、こういう風にペーパーで巻きます。

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で、ビニール袋に入れて、↓こういう風にして掃除機で軽くバキュームを掛けます。

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捌き完了です。寝かせ日数を管理するため、日付と時刻を書いておくといいと思います。

寝かせ初期の段階でペーパーは1回取り替えた方がいいです。最初の1日でペーパー全体に水分が行き渡って、ペーパーの給水能が破綻してしまうことが結構多いので。

 

という訳で、約1日経過した今日1月19日(水)21:00頃に冷蔵庫から出して、状況を確認してみました。

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この時点で「魚体からペーパーにどのくらい水分が移動しているか」によって、魚が良いものなのかあるいはあんまり状態が良くなくて美味しくない魚なのかをある程度推測することができます。

この時点でペーパーがベタベタになっていたら、魚の味の期待値は“低”、逆にペーパーにあまり水分が廻っていなくて「なんだ、ペーパー替える必要なかったかもな、これなら」とか思えるくらいだったら魚の味の期待値は“高”になります。

状態の良くない魚は水が多く出るし、それにペーパーを替えても替えてもいつまでも少しずつ水が出続けてそれが終わらない感じだったりします。

 

その観点でいうと、この個体はバッチリだと思えました。

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1月の産卵完了直後の個体だから、多分ノーグッドだろうと思っていたんですが、かなり状態がいいように思えます。身が結構肥えているように思えたのは、気のせいじゃなかったということなのかな。

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再包装を完了し、また冷蔵庫の中に戻しました。あさっての金曜日の夜の晩餐時に刺身で食卓に登場する予定です。楽しみだなあ~。

 

 

ちなみに、この魚の内臓ですけど、こんな状態でした。

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卵巣は春のタケノコメバルのそれと同じで、オレンジ色の内容物がチョロっと入っているだけでした。産卵完了後で間違いないです。中身を確認するため卵巣の袋を切開したのですけど、産み残しらしき仔魚が1匹だけ入っていました。文献等の資料に記述のある通りで仔魚の大きさは7mmくらいでした。

他に印象的だったのは「肝臓がかなり小さかったこと」と「直近でもかなり色々食べていたっぽいこと」です。水族館キープ2日間でバッカンの海水の中に結構な量の糞をしていましたし、腸の中には消化中のベイトらしきものが結構残っていました。1月でも盛んに採餌しているのだと思われます。

 

 

今度の土日もタケノコ掘りに行く気満々なんですが、天候的に無理かなあ~やっぱり。

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