いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

“どちらかな?”の答

2017年9月8日の投稿“どちらかな?”で、イシガメのある個体の性別について謎かけをしました。→2017年9月8日の投稿“どちらかな?”

その“ある個体”は、9月23日の投稿の“個体A”と同一の個体です。
→2017年9月23日の投稿


その“個体A”の2017年9月撮影の画像がこれです。
イメージ 1
この画像だけで、この個体の性別が分かるかな。


イメージ 2

イメージ 3
とりあえず個体Cについて解説しましょう。
個体Cは2016年の秋に捕獲した個体で、
その時点では「甲羅の形が特徴的な感じだからオスなのかな~」
くらいに思っていました。

で2017年9月の時点で尻尾の太さと排泄孔の位置から、性別は予想通りオスであるとほぼ確定できています。
イメージ 4

さて、次は個体Bです。
同様に尻尾の太さと排泄孔の位置の観察結果から、2017年9月の時点で性別はメスであるとほぼ確定できています。



で肝心の個体Aなのですけど・・・、

個体Aの捕獲タイミングは2016年6月頃。
そして、2017年の春からは庭の第2飼育場で“アダルトメス1匹、アダルトオス1匹、個体A”の3匹での体制に移行して飼育していました。
捕獲して以降「個体Aは甲羅の形からして見るからにメスだね」と思って、自分の中では“メス確定”と認識していました。

でね、2017年5月か6月かのある時に家の敷地の外から塀越しに第2飼育場のプラ船ミニ池をなんとなく覗いていたら・・・、
メスアダルトの個体の正面に個体Aが対峙して前足をプラプラとそのメスアダルト個体に近づける仕草をしていたんです。つまり、オスがメスに対して求愛する時の挙動をしていたんです。

「は・・」

「なんで、メスが・・・」

「なんでチミが“前足パタパタ”をやってんの・・・」

「メスにも男性ホルモンが少し流れているから、体調とか気分とかの次第でそんな気持ちになることもある、みたいな感じか?」

こんなことを考えながら庭に戻ってプラ船ミニ池のところまで行き個体Aを取り上げて観察してみると・・・、

「ありゃ!」
「こりゃオスだわ。尻尾太いし、排泄穴の位置も遠い。」
「こりゃメスじゃない。オスだわ。」
と分かりました。

でも、
「この甲羅の形でオスってあり得るんか?」
「ねえぜ、んなこと。意味が分からんわ。」
「最初は“オスな感じの尻尾”じゃなかったぞ、決して。」
とも思いました。

2017年9月の時点では甲羅をひっくり返して尻尾を観察すると、その太さも排泄孔の位置も「オスで確定。間違いなし。」と言い切れる状況です。


個体Aと個体Bって、甲羅の形のタイプが一緒です。
私の自己擁護が入るせいかも知れませんが、“ほとんど同一”とか“クリソツ”とかいうくらいに甲羅の形のタイプが似通っているように思えます。
ついでに言うと、個体A,個体Bに対して個体Cは甲羅の形のタイプが結構はっきりと異なっています。

個体Aと個体Bの尻尾を1枚の画像の中で見比べれば、その太さがまるで異なっていることが分かるかと思います。
つまり、
「ごちゃごちゃした経緯の説明は抜きにして、個体Aと個体Bはパッと見の甲羅の形は同じなのに尻尾の太さがまるで違っている。すなわち性別が違っている。」

私には、
 ・個体Aの甲羅の形はオスタイプ
 ・個体Bの甲羅の形はメスタイプ
だと看破することはまったくできません。

「どっちも同じタイプで、ついでに言えば多分メスタイプ」という風にしか認識できませんでした。



という訳で、
「個体Aは2017年9月の時点で100%間違いなく性別がオスであるけれど、卵から孵化した時点で元々オスだったのかというと、必ずしもそうではないのではなかろうか?」
そういう風に考えざるを得なかったのです。

それで、イシガメのTSDの論文を見て、そこにイシガメの性別の定義について何か書いてあるかどうかを確認してみたんです(その確認結果を記述したのが、前々投稿です)。→前々投稿“誇大妄想”

論文中に書いてあったのは“孵化直後の時点における性別の判定結果”でした。
“その性別判定結果がその個体の将来的性別に合致するか否か”という観点の記述は特に存在しませんでした。




なので、

「もしかしたら・・・、」
「孵化後の性転換もあり得るんじゃないのかなあ~」
と、そう思ったのですが・・・、
その仮説がとんでもなくトンチンカンな嘘仮説であるかどうかは・・・、


分かんないね。
どっちでもいいよ。私は証明する気もないし。