いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

インレットバルブの傘

フロントバンクのバルブ清掃を行います。

イメージ 1
これが外したフロントバンクのバルブ。
大きい方がインレットバルブで、小さい方がエキゾーストバルブです。

何故かインレットバルブの傘の背に汚れがこんもりと堆積しています。


イメージ 2
同じく別の角度から。
インレットバルブのバルブステムの下の方の金属光沢のない部分(バルブガイドに接触しない部分)がウェットになっているのが分かりますでしょうか。オイル下がりしているんですね。ただし層状の露骨な汚れ堆積は認められません。

エキゾーストバルブはオイル下がりしていないようですが、カーボンが黒すぎです。エキゾーストバルブは熱がかかるので、燃焼状態良好なエンジンならいい色に焼ける筈なんですが。


イメージ 3
こちらは比較サルプルで、89年式のNC30のリヤバンクのバルブです。エキゾーストバルブのうちの2本は綺麗な焼色を呈しています。
これくらいに白焼けしていなければ、燃焼状態はよくないということになります。

こちらのエンジンの場合、インレットバルブの傘の背の汚れはそれほど酷くありません。
その割にバルブステムのバルブガイドに接触しない部分に層状の汚れ堆積がちゃんとあります。つまり走行距離はそれなりにいっているということなのではないでしょうか。
オイル下がりは画像左端のエキゾーストバルブだけで、インレットバルブはオイル下がりしていないようです。

ということは・・・、
6000エンジンのインレットバルブの傘の背の汚れ堆積は、下がったオイルとの因果関係が強いということになる・・・、のかな?
単にオーバーラップ時の排ガス吹き返しだけだと、インレットバルブ傘の背の汚れはこの89エンジン程度で済むということなのでしょうか。
う~~~ん。

この89年式のNC30エンジンは、前の方の記事でパルサーローターとピックアップコイルを取ったエンジンです。
私が、
「メインジェットall#110、ターボフィルター使用、その他のキャブセッティングはフルノーマル、昔のロットのエトスフルエキ装着」
という条件で乗っていました。
出力の状態も良かったですし、いい燃え方をしていたのではないかと思えます。
※このエンジンは自宅から10kmくらいの近所で購入したものなので“近所エンジン”と命名しておくことにします。

6000エンジンは号機番号がNC13E-1308***なので、90年式のNC30のエンジンです。
今調べてみたら90年式の最終号機番号は1308980らしいので、実際には1991年の終わりの頃のNC30のエンジンということになるようです。
NC30のエンジンは、フライホイールとACジェネレーター以外には終始変更がなされなかったのですが、キャブのセッティングだけ90年式以降、以下の通りに変更されています。
 89年式NC30:
  メインジェット 4気筒とも110
  パイロットスクリュー戻し回転数 1.0+1/4
 90年式以降のNC30:
  メインジェット 前バンク115、後バンク118
  パイロットスクリュー戻し回転数 2.0
私の調べた範囲ではメインジェット以外のキャブの部品も同じです。キャブの中身が多少変更されたからセッティングも変わった、という訳ではなくて単に濃くしただけのようなんです。

で、メーカーマージンで濃くしてあるから、焼けはこんなもん・・・、
なのかな?
それにしたって、エキゾーストバルブは少しくらい焼けた感じしてないとおかしいような気がするんだけど・・・。

他にも異常があった車両だったのだと思うことにしておきましょう(エアクリ詰まりとか)。


イメージ 4
6000エンジンのインレットバルブのうち、画像の右端のものは様子がちょっと変なので拡大して撮影してみました。


イメージ 5
同じく少し角度を変えて。
上に覆いかぶさるような白っぽい繊維状の物は・・・、
カビですね(笑)。
少なくともこのカビが生えた以降はエンジンに火が入っていないのでしょう。

ま、カビは笑いのタネでしかなくてどうでもいいのですが、何で低走行なのにインのバルブの傘の背にこんなに汚れが溜まるのでしょうか。

 傘の背に排ガスの吹き返しなどで多少の汚れが付く。
  ↓
 その汚れとは別の事項として、そのうちにオイル下がりが発生する。
  ↓
 汚れは下がりオイルの吸収体として作用する。吸収した下がりオイルが焦げて、汚れは層状に加速度的に成長する。

こんな感じですかね。

実はリヤバンクはこの倍くらい堆積してたんです。お見事なくらいに。
残念ながら今回のエンジン製作にとりかかるよりも以前にある事情で清掃完了してしまったので、画像に記録していないんですけど。

インチキな想像を巡らせるのもそれなりに楽しいです。