いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

フロントバンクのみヘッド完成

外したバルブを清掃してシリンダーヘッドに組み付けます。

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清掃完了後のバルブです。

予告通り“技”らしきことは何もやりませんでした。
画像に映っているヘラで適当にそぎ落としただけです。最後に気休め程度にアセトンで拭いましたが、その効果はほとんどなかった感じなので、ヘラそぎだけでほぼ除去できたってことになります。
インレットバルブは高温にならない(混合気で冷却される)ので汚れが焼成されておらず柔らかいので、こんなやり方でもなんとかなるのでしょう。

エキゾーストバルブは汚れがガチカチに焼成されていて、ヘラで削ろうとするくらいでは何ともならない筈なのですが・・・、
今回はインレットバルブ並にあっさりそぎ落とせてしまいました。

変です(笑)。

“結果良ければすべて良し”でもないですが、深く考えないことにします。


イメージ 2
単に別アングルですが、バルブの軸に注目です。
バルブの軸のうち金属光沢を放っている部分がはっきり視認できると思いますが、そのうちの中央部近辺だけ少し黒っぽく汚れたような色調をしています。
この部分はバルブガイドと摺動していた箇所なんですが、私の経験上は作業中にあまり強くこすったりするとこの黒っぽい汚れが取れてしまいます。
モリブデンの凝着による摺動層かどうかは不明ですが、そのような物だと思うことにしてこの汚れを温存することを優先します。

メタルクリーンで茹でたり、ドリルに咥えて研磨したりするのを嫌ってチャランポラン清掃で済ましたのは、このメリットを見込んだせいもあります。
“そう”だと思い込むことにしてそうしてみただけで、妥当かどうかの自信はないのですが。


イメージ 3
100円均一で買ってきました。
バルブガイドとポートの隙間に入った研磨くずを除去する目的で使用してみます。

毛の剛性が弱いという欠点はありますが、痒いところに手が届くという意味ではバッチリの選択だったようで、研磨くずはほとんど除去できました。いい感じです。



バルブステムシールを新品にするとフリクションが大きくなるというネガな面の説もありますが、性能的な面でもキャブやエキパイを外した時に嫌な光景を見たくないという意味でもオイル下がりは嫌うべきと考えて、きっちりとすべて新品を入れます。
現在確か1個420円です。16バルブで6720円ですね。
ヘッドガスケットは2枚で6000円近くするので、これだけでも相当な出費です。
作業の手間の努力だけで済ませられず、中古エンジンのヤフオク相場くらいは部品代が必要なところがNC30、NC35エンジンをオーバーホールするという遊びの欠点だといつも思ってしまいます。

モリブデングリースとエンジンオイルを半々に溶いたモリブデンオイルを使用してバルブガイドにバルブとステムシールを組むようにマニュアルには書いてあります。
私も今まではそうしていましたが、今回はステムの汚れを温存できたのでエンジンオイルだけで組んでしまいました。

バルブスプリングの自由長を一つだけ測定してみたところ、ほぼ標準値で新品からほとんど変化していないようだったので、すべてのバルブスプリングを横一列に並べてその測定した一つとすべて高さが同等であることの確認だけ行いました。

外す時もそうなんですが、コッターの脱着の作業性を優先してバルブスプリングコンプレッサーでバルブスプリングを縮めすぎると自由長が変化する可能性があるかも知れないので、何とかコッターの脱着ができる程度に制限してバルブスプリングを縮めてコッターをはめます。
一番いいのは思い切り縮めてもバルブスプリングの自由長変化なんて起こらない、ということの確認を一旦取っておくことなのですが、未だに一度もやったことがありません。
ま、そのうちに実施しましょう。

さてここでバルブをメタルクリーンで茹でなかったことのもう一つの理由です。
実はバルブは綺麗にしてしまうと保管中に結構錆びるんです。
 バルブの燃焼室側(MR8の刻印のある側)
 バルブガイドとバルブの当たり部位(ガイドもバルブも共に錆びることがあります)
 バルブステムの金属光沢部分の下の方(バルブが下がっている状態だと錆びる)
以上の箇所が錆びます。
私は、去年の正月に仕上げた茨城エンジンのヘッドを丁寧に梱包して玄関に置いておき、その年のGWの時期に腰下に組みつけようとして出したら、はっきりとサビが発生していて泣けました。

ですので今回は“バルブステムのすべての部位”および“バルブガイドとバルブの当たり部位”にエンジンオイルを塗布してからバルブをヘッドに組みつけます。


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で、完成したフロントバンクのシリンダーヘッドです。
※腰下との合わせ面が白飛びしていますが、燃焼室の映り具合がまともな絵がこれしか撮れなかったので。

バルブがこんな黒いままのヘッド完成の図ってあまり見ないですけど、私程度だとこんなもんです(笑)。


イメージ 5
ほとんど同じ絵ですが・・・、

やっぱりデトネなんですかね。
あんなにどこもかしこも真っ黒で燃焼温度低そうなのに。