いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

RVFのキャブの方が良かったりするのでは?

結論から書いてしまいましたが、キャブの選択についてです。

NC30のヘッドに組みつけるキャブなのだから、以前の投稿にもあるように当然のごとくNC30のキャブを使う気満々だったのですが、気が変わってきました。

エンジンが出来上がって、部屋の中に置いてあるそのエンジンを眺めながら、色々な想像や空想をしたり、理屈を展開したりしていることが多くなって、それでまあ・・・、ということです。


まず、NC30キャブとRVFキャブの一般論なんですけど、ネット上に見られる見識は以下のようなものがほとんどです。
 NC30キャブは口径が32φ、RVFキャブは口径が30φ
 だから上のパワーを求めるならNC30キャブ、下のレスポンス重視ならRVFキャブ

つまり、口径のことしか論じられていない雰囲気なのですが、私としては春までじっくり時間があるので、このあたりの理論についてじっくり調べてみることにしました。
この時点では私の認識も、
“NC30キャブは32φ、RVFキャブは30φ”
これだけです。

で、色々調べていたら、キャブの口径って、スロットルボア径とベンチュリー径の2種類の口径があるんですね。要約すると以下の通りです。
ベンチュリー径 :バキュームピストンのある部分のキャブの口径
スロットルボア径:アクセルで直接開閉するバタフライバルブのある部分のキャブの口径

スロットルボア径っていうのは普通はベンチュリー径より大きいそうで、ベンチュリー径の方はキャブの口径としては最小の部分であるらしいです。

そうすると素人の私が安易に考えると、
“キャブの有効径(能力)ってベンチュリー径ってことになるよね”
と思いたくなってしまいます。

でも普通はキャブの口径はスロットルボア径で表現されるもののようです。なるべく大きい数字で表現してハッタリを効かせたいんでしょうか。
ちょっと蛇足的ですけど、400cc離れした大口径キャブで知られるGK76AのGSXR400Rのキャブ口径は調べたところ、こんな感じでした。
 スタンダード車:スロットルボア径33φ、ベンチュリー径25φ
 SP仕様車  :スロットルボア径35φ、ベンチュリー径26φ

マニュアルに記載されているNC30キャブとRVFキャブの口径は以下の通りです。
 NC30キャブ:スロットルボア径32φ、ベンチュリー径30φ
 RVFキャブ :スロットルボア径30φ、ベンチュリー径29φ

そして、インレットポート入口(インシュレーターを装着するところ)の内径は両エンジンともに30φで同じです。
厳密には29φのようにも思えますが、少なくとも「NC30エンジンとRVFエンジンとの差」はまるでないんです。


イメージ 1
でこれが、皆さんよくご存じの両車種のインシュレーター。
左がRVFエンジン用、右がNC30エンジン用です。
白テープの尖った部分の先端が、キャブに当たる面とインレットポートに当たる面です。
上がキャブ側、下がインレットポート側です。

赤印をしてあるテープのところはその直径が30φ、黒印は32φです。
つまり、当然のことながら両キャブのスロットルボア径と同じ径な訳です。
RVFはそのまま円筒状にストンと落ちるんですが、NC30の場合は黒の面から赤の面に落ちる間に口径が直径として2mm絞られます。
黒の面から赤の面までの落下距離は5mmです。

インレットポートに入る直前のわずか5mmの落下の間に2mmも口径が絞られてしまう訳です。

これだと、素人の私には、
“キャブの実質の能力としてはベンチュリー径の29φと30φの差しかないように思えるんだけどなあ”
となってしまいます。

さらに、
・バキュームピストン底部の形状による差異で、RVFキャブの方が霧化特性がいい。
・RVFキャブはストレートインテークだから口径通りの充填効率があるが、ストレートインテークでないキャブの場合は口径通りの充填効率がある訳ではない。
という理屈があるのだそうです。
どうだか、って気もしますけど、それなりに説得力を感じてしまいました。

という訳でRVFのキャブを使ってみようかと思っています。

今までにもNC30エンジンにRVFキャブっていう組み合わせで試したことはあるんですが、セッティングが出せなくて諦めてました。
今回はそれなりに粘るつもりです。