いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

タッコです

17日の土曜日に6年振りにタコ(マダコ)を釣りに行ってきました。

 日本海側ではタコ釣りってあんまり流行らないっぽいんですが、6年前の初夏の頃に1シーズンだけでしたけど、かなり頑張ってタコ釣りをしていたんですね。
 その時に始めたきっかけは「たまたま漁港にタコがいるのを見つけて、魚用のルアーを目の前に出してみたらアッサリ釣れたから、妙に気に入って没頭し始めた」って格好でした。

 タコって基本的に夜行性なんですが、夏になるとかなり海岸近くでも活動するらしくて、夜が明けてからそんなに時間が経っていない時刻だと、漁港の防波堤から1m以内くらいのところにまだ残っているのが見つかることがあるんです。
 そうやって見つけたタコの前にいい加減なルアーを落とし込んでやれば、ほぼ100%あっさり食らいついてきます。ま、でも、ちゃんと釣りあげられるかとなると、その歩留りは私的には60%くらいでしょうか。
 
 関西の沖の一文字で水深の深いところの見えていないタコを釣るの(マダコがアホみたいに釣れるそうです)とは違って、1日で一匹釣れれば上出来ってくらいの期待性の著しく低い釣りです。
 上述のような状況で朝の漁港で見つけることが出来なかったら、見えていないタコ狙いに切り替えなければならず、その期待値はさらに著しく低くて、まあハッキリ言って普通一匹も釣れないです(笑)。


イメージ 1
使うルアーはこんなヤツです。
 正式名称タコジグっていうタコ釣り用の専用品ですが、笑ってしまうような仕様ですね。ビジュアル的に、釣る対象のタコに訴えている訳では決してなくて、購入する人間の側に訴えているのがまる分かりです。それはそれでOKということにしておきましょう。
 ちなみにタコはこれを小ダコだと思って食いついてくる訳ではありません。要は何でもいいんです。ハッキリ言って消しゴムに針を括りつけておくだけでも何とかなると思います。
ただどうも話によると、本物のカニを括りつけておくのが最良で、それには負けるらしいですが。


 で、張り切って出発しました(バイクじゃなくて車です)。寝坊したので出発時刻は5:30です。
「ああもう、太陽があんなに高い位置に来てる」・・・、理想的には4:00くらいに出発するべきでした。

 6年前にタコを釣ったことのある漁港を自宅に近い方から順に、タコを探して巡っていきます。でも、悪い方の予想通りに当然の如く・・・、
『タコなんて見つからない』
自宅から50kmくらいのところまで探し廻りましたが、タコは居ませんでした。
もうまずダメですね。

あとは惰性で居るはずもないタコ探しをいい加減な気持ちで継続しながら能登半島東海岸を少しづつ北上していきます。

 時刻は10:00チョイ前、宇出津漁港というところまで来ました。
『もうタコは間違っても釣れんわな、餌釣りでもするか。でも釣り道具屋もなさそうだし・・・。』
そう思って、スーパーでキビナゴとかワカサギとかの小魚を買って餌にしようと思い、漁港巡りモードの中にスーパー巡りを混ぜ始めたのですが、釣りの餌にできそうな小魚なんて売っていません。スーパーを3店舗廻りましたが、売っていませんでした。普通はそれっぽい小魚を何かは売っていそうに思いますが、能登半島って北の方はかなりの田舎でコンビニもほとんどないような土地ですから、あんまり売れないような商品までわざわざ品揃えしたりする余裕はないってことなのかな~、なんて思いました。

 もう気分は既に“釣り餌にできる小魚探し”になっています。気がつけば九十九湾の手前の小木港ってところまで来ています。
『あれっ、釣り道具屋がある。』
意外にも釣り道具屋がありましたので入って行き、通じるかな~と思いながら『青虫一つ』と言ってみたところ、普通にちゃんと通じて、500円分の青イソメをゲットすることができました。

 ソイかカサゴの15cmくらいのヤツでも釣れてくれれば、なんて思いながら、今度は自宅側に向けて能登半島東海岸を南下して行きます。期待に反して“ベラとかの普通は食べない小魚”しか釣れません。アイナメさえも釣れませんでした。ただ、ベラとかの餌取り系の魚の活性は高くて、食いはいい方だったと思います。

アイナメも釣れんようじゃ今日はもう駄目だね』
能登島近辺まで戻ってきたあたりで、既に気分は“やる気ゼロ”で、残った青イソメを活性の高いベラ達にあげてしまって一気に帰宅してもよさそうなものですが、久しぶりの釣りなので餌はちゃんと使い切ることに決め、さらに漁港巡りを続けます。

 七尾の市街地を抜け灘浦海岸のまだ工事中の漁港に寄ります。
 大した獲物じゃありませんが、カサゴが釣れました。でも10cmくらいです。本日初の“結構食卓に持ち帰られる食べると美味しい魚種”でしたが、10cmではね~、ということであっさり放流しました。残りの青イソメは6本か7本くらいになっています。カサゴの釣れた辺りにもう一度投げ込みます。底まで落ちたのを見計らって少しだけ引き寄せてみます。もう一度同じことを繰り返します。
『ん、ちょっと引いたかな?』
どうせベラだろう、と思いながら2~3秒だけためて、軽くアワセをくれます。
『お、ちゃんと掛かったかな、あれ?』
かなりの大きさの魚のようです。

『おや、これはかなりの引きだな。20cmは間違いなく超えてるよな。』
笑われそうですが20cm以上は、私にとってはかなりの大物なんです。

『相当な引きだけど、切れるかもな。』
ハリスは1号です。切れるかどうか五分五分といった状況です。
『取り込めなくてもいいから、どんな魚なのかだけでも見て確認しておきたいな~』
もうドキドキ状態になってきました。糸が切れないことを祈りながら最新の注意を払ってじっくりとリールを巻き取ります。

丁寧にじっくり巻き取ったので一分程度掛かったでしょうか。やっと獲物の姿がチラチラと見え始めます。
『あれ、魚じゃないの?カニ?』
『いや、カニじゃない』

『え?タコ?、この展開で今さらタコかよ』
そんなに大物ではありませんが、元気な赤い見事なタコが、広げた8本の足を上に向けて水を吐いて泳ぎながら上がってきました。

網は持っていません。1号のハリスでタコのごぼう抜きは無謀ですが、網がなければごぼう抜きしかありません。幸いタコは魚と違ってトリッキーな水平方向の動きや瞬発的な挙動はしないので、水面近辺で動きを止めずに上手に一直線にスーっと抜きあげれば意外とごぼう抜きできるので、祈るような気持ちでごぼう抜きします。でもあまり自信はありません、何しろハリスは1号です。(そんなに大きいタコではないんですけど)


イメージ 2
釣った場所からかなり離れた車を止めた場所での撮影なんですが、無事にごぼう抜きに成功しました。
完全に童心状態になってしまい、スッゴク嬉しかったです。

自宅を出発したのが午前5:30で、釣り上げたのは午後5:30でした。

釣り上げた場所で厚手のビニール袋に入れて100~200mくらいの距離を歩いて持ち帰った後の撮影なので、タコはもうかなりへばっています。
※小銭はポケットから出したもので、物差しの代わりです。


イメージ 3
バケツに入れて数分したら、少し元気になったようです。


イメージ 4
こんな感じにして、活かしたまま持ち帰りました。


という訳で、頭の中からタコが完全に消失してしまっている状態で、どういう訳か最初の目的がばっちり達成されてしまい、結果的には大成功のタコ釣りプロジェクトとなりました。


しょうもない長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
※次回は料理編です。