いも工房

わたしの趣味をここに綴ります(※当ブログは転載完全フリーです)

夏休みの自由研究

今日は宇宙物理学ならぬ地球物理学のお話です。


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画像①
この紐の長さは1m。釣り用のPEライン、3.0号です。
1mで0.07gだから、10cmあたり0.007g。
まあ“10cmあたりで0.01g弱”といったところですね。


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画像②
そこら辺に落ちていた何の変哲も無いデコボコの石です。
重量は41.31gでした。


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画像③
水を入れた容器を載せてゼロリセットを押した状態です。


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画像④
画像③の状態に対して、空きスペースに石を載せてみました。
同じように41.31g。 ま、当たり前です。


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画像⑤
実験の準備段階です。


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画像⑥
画像⑤の状態から石を水中にそっと沈めたら、41.32gと出ました。
41.31gに対して0.01g重く出たのはきっと糸の重量分でしょう。

ちなみに、このやり方だと水面より上にある糸の重量も秤に対して掛かってしまいがちのようです。この点は結構要注意です。
この石ぐらいにしっかりと何10gもある石での実験であれば誤差範囲になるので、糸の重量はあまり気にする必要はないですが、石が2~3gぐらいの場合は糸の重量による誤差には細心の注意を払いましょう。(って、何の話をしてるんでしょうね?)


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画像⑦
画像⑥の状態から糸を引っ張って糸の先をスタンドにくくりつけ、石を水中に浮かせてみました。

石の重量を完全に糸で吊り上げてある筈なのに、秤の表示は12.71gです。
最初にちょっと触れたように糸の重量は10cmで0.01g弱ですから、糸の重量は誤差範囲と考えるものとして、この“12.71g”っていう情報の真の正体はなんでしょうか。


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画像⑧
画像⑦の状態からスプーンで水を少しずつ汲み取って、秤の重量表示が0.00gになるまで水を減らしてみました。
よくみると、画像⑥や画像⑦の状態よりも水の液面が少し低くなっているのが分かるかと思います。


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画像⑨
画像⑧の状態から、また糸を解いて石をそっと容器の底に沈めました。
秤の表示は28.61gになりました。



さて、自由研究というのはいつもの通りウソです。
実はちょっと前に、家に元々あった分解能1gの料理用の秤で同じように、石の重量を測ってみたんです。

石の○○をこんなやり方で測定できるってインターネットに書いてあったので、あまり深く考えずに計算式の確認も理論の確認せずに、安易になんとなーく。

その時、画像⑦に相当する状態でその料理用秤に表示された数値は私が想像していた数値とはまったく異なっていました。石の特性の問題ではなくて、計算式についての私の認識が完全に誤りだったからです。

それで、“????、どうしてこうなるの~、分かんね~”と思って、即インターネットでカンニングしました。
正しい計算式はアッサリ分かったんだけど、理論がまったく飲み込めません。
正直言って今でも完全には飲み込み切れていない気がします。
なぜかというと、「キッチリと納得のいくように子供に説明できるか?」と言われたら、まるで自信ないから。

「水中に固体を沈めると、その固体の△△に相当する浮力が発生する」
それは説明ではなくて、ただの物理学の公式。
つまり「本質として正確には理解していないヤツの知ったかぶり発言」でしかないように思えてなりません。

子供ならきっとこう返してきます。
“どうして、その固体の△△に相当する浮力が発生するの~?”って。
そして、高圧的な押し付け発言的説明しかできず、そこで自分が本当は浮力についてまるで理解できていないことに気付く。そういう事態になるとしか思えない。
というかまあ、子供に説明しようがしまいが、浮力発生のメカニズムが理解できていないです。

説明をするにおいて物理学の公式を発言することは禁止。
公式として用いていいのは「水より重いものは水に沈む、水より軽いものは水に浮く」という台詞だけ。
他に法則の引用なしで、浮力の理論を説明することができるだろうか。

グラムもミリリットルも知らない江戸時代の人とか、戦国時代の殿様とかに説明できるものでしょうか。
本当に理解していたら科学の教養のまったく無い戦国時代の殿様にもキッチリ説明できて、ちゃんと納得もして貰える筈です。

水に沈める固体の姿形よりほんのちょっと大きい容器を用意すれば、僅か100mlの水で1000gの浮力を発生させることもできます(なんだそうです)。
私は、そこの説明が特に自信ないんですよね~。
100mlの水は100g。つまり100gの水で1000gの浮力を発生させることも可能。となると「浮力発生の源は水の重量な訳ではないのか」という風に思いたくなります。


もし時間があって暇だったら、決してインターネットでカンニングすることなく浮力のメカニズムの自己脳内での噛み砕きにチャレンジしてみてください。
インターネットで答えを拾って、その答えの理論に対して自分の認識を刷り合わせて行くやり方をしてしまったら、私と大して変わらないです。


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参考までに、秤の性能が分かるようにオマケ画像です。
この実験というか測定を、今後幾度となく繰り返し実施したいと思って、おもいきって新品を買ったんです。

分解能0.01g、フルスケール600g、新品です。
インターネット通販で、送料他諸費用全込みで35,060円でした。
高いには違いないですが、結構いい買い物だったように思っています。